涙空
伊織と月城は私の腫れた目元を見ても、何事もなかったかのように接してくれた。




今まで出会った友達とは違う、そんな事にはもう気付いている。




でも、やっぱり恐いんだ。




信じた人に裏切られるのは、何より辛い事だから。




「じゃあ図書館でギリギリまで勉強して、下校時刻になったら1駅先のショッピングモールで勉強しよっか。ついでに本屋寄らせてもらうわよ。」



「んー分かった。私も新しい本欲しいから皆で行こっか。」



「じゃあ晩飯はフードコートで食うか。」




「オッケ。俺シャー芯切れたからその時買うね。」





4人でさっさと予定を決め、それぞれの勉強を始めた。



英語の勉強に集中し始めた頃、ひらっとメモがノートに舞い落ちた。



『中間で勝負な』




少し汚い立花の字。



思わず小さく笑った。



< 25 / 51 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop