涙空
本屋に入ると、伊織は恐ろしいほどのスピードで単行本棚へ。


私と立花は苦笑しながら文庫本棚に行く。




「何買うの?」




「まだ決めてないから、圭太の買ってから考える。」



「ふーん」



本棚を睨みながら、欲しい本を探す。




「お前は何買うんだ?」




「有野虹の本」




「好きだなー。」




ニヤニヤ笑う立花を横目で睨む。




「悪い?すんごい面白くて天才なんだから、有野虹は。」




「お前まさか…」




立花が言いたいことがは今までの経験上分かるので、前持って答えておく。




「ざーんねんっ有野虹は女なの。アリノコウって男みたいな名前だけど。よって私は有野虹に恋愛感情を抱いておりません」




チッと立花は舌打ちしたが、途中で何かに気づいたかのように言った。








< 27 / 51 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop