涙空
「大体ねぇっ!!たかがキスシーン1つで本読めなかったら、世界のどの本も読めないってのよっ!!ベタベタの恋愛小説じゃないからいいじゃんっ!!」






ハッと自分の失言に気付き口を手でおさえる。







・・・が、いくら口をおさえても、失言は消えず・・・







「あははははははっ!!あんたがそれを言うとはねぇっ!!もう最高!!っ」








「笑うなドアホウがぁっっっ!!」







伊織は笑い転げ、立花は再び固まり・・・






「ホラっ‼︎さっさと帰るよっ‼︎」






伊織の笑い声をスルーして、フードコートに戻るまでに、凄く消耗した。




今日は災難な日だ。


朝の電車といい今この時といい、もうヘトヘト。




「あれ?どうしたの?うわっ水野大丈夫?」





フードコートに戻ってすぐ、月城に訊かれる。




でも、



「い・・・いやあ・・・なんでもないよ・・・?」



言えるわけあるかアホーーーー‼︎





心の中で絶叫。

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