思色(おもいいろ)
プロローグ
七階の窓から少し遠くに見えるあの森はかつて、何かお城があった場所なのだと誰かに聞いた。



今は巨大な公園になっていて、その緑を中心としてマンションや住宅街が広がっている。


今も、この街の中心であり続けるその森は
かつて、あの人が住んだ場所だったのだ。

あの人がいなくなった今でも
残したものは、息づいてる。
私の中に。
あの、街の中に。



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