あなたから、kiss
両手には……、沢山のレジ袋。
コンビニ、スーパー、弁当屋…。
密集してるから、移動距離こそそうでもないけど……
この量は、どうよ?
私の一年目の時とは…大違い。
みんな、私が女だから…きっと遠慮していたのね。
「花さん、それ…貸して下さい。」
雨宮くんは、私の手から…ひとつ袋を奪い取った。
「いいよ、そっちのが重いの持ってるんだから……。」
取り返そうとするけれど、「ダメです。」の一点張り。
袋を持つ筋ばった腕が…案外筋肉質で。
不覚にも…、胸が音を立てた。
「………あ。」
アタマに…ポツリと、何かが落ちて来て。
それが、次の瞬間には……
次から次へと空から降って来た。
「弁当…、濡れちゃう。」
雨宮くんと二人、急いで近くのお店の軒下へと…走っていった。