あなたから、kiss
16時 ――…
一昨日の昼に仮眠をとりに帰った以来…自宅に戻ってはいない。
フリーライターさんとの打ち合わせは、苛酷だった。
襲ってくる睡魔。
だけど、興味深い内容を…意気揚々と語るその口調に…
それを阻まれる。
約1時間半。
1週間後に、都内のインテリアデザインチームの取材に同行する約束を取り付けて。
「では、後日。よろしくお願いいたします。」
ライターさんを…見送った。
「………終わった…。これで帰れる…!」
デスクに戻って、いそいそと帰り支度を始めた所で。
「花、吉祥寺の雑貨店のゲラ上がったんだろ?先方に早いとこ持っていかねーと、締め切りが…」
「……………。……そー…でしたね。ハハ…、今から行って来ますとも。」
編集長より、足止めをくらう。
それから、即座に電話をかけると…。案の定、今日がいいとの、返事。
「大丈夫か、足元ふらついてんぞ?」
「ええ、今朝栄養ドリンク飲み忘れてましたから…エネルギー切れですかね。」
鞄の中から、ドリンク剤を取り出すと。
ぐびーっとソレを一気に飲み干した。
「チャージ完了!では…、行って来ます!」