お邪魔もののスニーカー【短編】
赤いピンヒールとスニーカー
浮かれてたから、現実を見せられたのだと思う。
内緒できた彼の家の玄関に華やかな赤いピンヒールが置いてある。私の足とは比べ物にならないくらいの華奢なサイズ。折れそうなくらい細いヒール。扇情的で既に勝ち組のオーラを放っている。
それに引き換え、私は汚れた白いスニーカー。朝から土いじりをしていて、たくさん汚したから。お気に入りのはずなのによ今日はなんだか誇りに思えない。
むしろ、とても屈辱的で恥ずかしい。