幸せになりたい
「…お前が一目惚れとか、ウケるな。」
クスクスと微かに笑う龍。
「お前…バカにしてんだろ?」
俺は一体なんだと思われてんだよ。
「ふっ、バカになんかしてねぇよ。お前のことだ、どうせ探し出すまで諦めねーんだろ?」
「……龍。よくわかってんじゃねーか、よ!」
「っ……ってーな、おい」
こういうとき、小学校からの仲はだてじゃねぇなって思う。
こいつのこういうとこ、意外と嫌いじゃねぇんだ。
言い方は憎たらしいけどな。
「っしゃ、とりあえず、学校から探してみるわ!」
俺は気合いを入れなおし、龍と言い合いながら教室へと足をすすませた。
慎 side end