幸せになりたい
「…ねぇ、翔兄」
「あー?」
お肉をたっぷりとフライパンにしきながら、答える翔兄。
「結婚っていつすんの?」
「…何だよ急に。」
「や、何となく」
沈黙が続いた。
何で黙んのよ
私は盛り付けを済まし、沈黙をたちきろうとキッチンを離れる。
「大丈夫だよ。結婚はまだしねぇし。お前は何も心配しねぇでスクールライフを送れ!」
「……………うん」
その台詞何回目なのさ
本当は知ってる
彼女から、結婚の話が出てることくらい
翔兄も、本当は結婚したいはずなんだ
だけど…………
「あ、やべ。タレがねぇ」
「じゃ私買ってくるよ」
私のことが気が気じゃなくて、
「わりぃな。きーつけろよー」
「はいはい」
結婚出来ないでいるんだと思う。