幸せになりたい
俺はじっと彼女を見つめた。
すると、
「すみません、急いでますので。助けて頂いてありがとうございました。失礼します。」
それだけ言い、そそくさと走っていってしまった。
俺は、ただ呆然とその場に立ち尽くした。
高鳴る鼓動と、微かに熱い頬。
え、どうしたんだよ俺。
こんなん今までなかったじゃねぇか。
最早イライラなんて、きれいさっぱり無くなっていて………
俺の脳裏には、ただただ彼女の顔だけが浮かんでいた。
どこの子だろ
俺とあんま年の大差なかったきーする………
彼女の走っていった方向を少しの間見つめたあと、
また会えねぇかな
俺は、渋々家に帰ったのだった。
慎 side end