魔王の息子で何が悪い！

「そっか！これは夢だ！」

現実をどうしても受け入れたくない者が最期に辿り着くその結論。彼の思考回路もまた他に違わずその終着点に行き着く。

「……ナオト。やっぱり寝ぼけてる……」

「いや！俺は寝ぼけてなどいない！むしろ寝ているんだ！」

その滑稽な姿にふぅっとため息をつくリリム。

「さあ！リリムさんとやら！俺を力一杯殴ってくれ！きっと夢だから痛くないハズ！」

これまた典型的な方法でナオトは自分の考えを肯定しようとする。

「……いいの？それは命令？」

最早、暴走気味のナオトに対して淡々と問いかけるリリム。

「いい！やってくれ！」

「……わかった。その命令……了承する。」

そう答えた瞬間、彼女の纏う空気が変わった。