魔王の息子で何が悪い！

「今、その二人がある世界を二分して戦争しています！それを止めるにはナオ君の力が必要なのです！」

困惑するナオトをよそに拳を握りながらそう力説するヒロシ。

「親父？一体何言ってんの？？」

そう問いかけるナオトの顔には困惑を通り越して呆れたような表情が浮かんでいる。

「そこで大変申し訳ないのですが、ナオ君にはその緊急事態をおさめて来て貰いたいんです！ちょうど今は夏休みですし、休みの間にはきっとケリがつきます！」

全てを言い終え、心なしか清々しい表情を浮かべるヒロシ。それに対しナオトは無言で頭を抱えている。

……一体この人は何を言っているんだ？
俺の本当の父親は魔王？母親は女神？
そして、その二人が世界を二分して戦争をしている？
そんな非現実的な事ある訳ないじゃないか。