天体観測の夜は月に願いを…
克行先輩も寄ってきて一緒に覗き込む。
克行「今回も奏絵のプロデュース?」
奏絵「もち!自信作。」
克行「美咲ちゃん?」
美咲「あっ、はい」
克行「災難」
美咲「う~っ」
祈織先輩はまだ見ている。
お願い先輩、何か反応を下さい。
先輩がゆっくり顔をあげる、二重で大きな瞳が私を見ている。
祈織「相原さん・・・可愛いよ。」
美咲「あ、ありがとうございます」
先輩は、いつもみたいに優しく言ってくれたけど、目が笑ってないと
いうか怒ってる? なんで?
先輩の視線に少し緊張していると、両手を握られた。
先輩?
祈織「相原さん!今日送っていく。一緒に帰ろう。」
美咲「えっ? あの… 」
思いもよらない祈織先輩の行動に戸惑っていた。
祈織「嫌?」
美咲「い、嫌じゃ無いです。」
祈織「じゃあ、決定ね。」