天体観測の夜は月に願いを… 

 話が終わると

 
祈織「大変だったんだね。何も知らなかった。」

美咲「先輩が気にする事無いです。大丈夫ですから。」


 自分では大丈夫と笑ったつもりだったのに、先輩に握った手を

引き寄せられた。目の前えが急に暗くなったと思ったら、

えっ?私抱きしめられてる!


祈織「大丈夫なハズ無い。無理しないで泣きたい時は
   泣いていいんだよ。」


 私の中の何かを溶かすような優しい声と腕。

 いつも一人で頑張らないといけないという気持ちを見透かされ

優しく抱きしめられると、ほら我慢できなくなっちゃう。

 頬を涙が伝い始める。

 しばらく先輩の胸にすがり、声を抑えて泣いた。

こんなふうに泣いたのは何時が最後だったろう。

 先輩は頭を優しく撫でてくれた、その手は背中降りて

あやす様にトントンとリズムを刻む。 

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