天体観測の夜は月に願いを… 

 目の前のアパート指差す。


祈織「えっ、ここ?・・・」

美咲「はい」

祈織「部屋の前まで送る。」

美咲「ありがとうございます。」

祈織「新しいアパートなんだね。」

美咲「そうなんです、新築です。
   まだ入居者も少なくて、静かです。
   私の隣も空き部屋なんですよ。」

祈織「そうなんだ。・・・・」


2階の部屋の前まで来てしまった。

鍵を出しドアを開ける。

まだ先輩と一緒に居たいなあ…。

でも部屋に誘う勇気もないし。


祈織「じゃあ、また」

美咲「はい」

祈織「帰ったら、電話する。」

美咲「はい」

祈織「相原さん、『はい』ばっかり。」

美咲「はい、あっ」


クスクスと二人で笑い合う。

祈織はギュッと抱きしめてから手の甲で美咲の頬を

愛おしそうに撫でた。

祈織先輩と目が合う・・・。
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