天体観測の夜は月に願いを… 

マニュアルA

☪***

新歓会、先輩からの告白、目まぐるしかった昨日。

祈織先輩の事を考えると、なんだか顔が緩む。

教室に入ると奏愛と戸塚もう来ていた。


奏絵「おはよ、美咲は教室まで順調に来れた?」


なんの事?

奏絵が教室の前の入口を指差す。

違う組? 学年?

たくさんの人たち、何かあるの?


戸塚「昨日の『執事&メイド』反響すごくてさ。」

奏絵「戸塚、教室に着くまでに5人に告白されたって。
   もの好きだよね。」

美咲「もの好きって、戸塚はかっこいいよ。
   私なんかはスルーだったし。」

戸塚「スルーか、美咲は鈍感だからな。」

美咲「鈍感て……。」


奏絵は今度はふふんと私を横目で見た。


奏絵「ところでさ、昨日は祈織先輩はどうなったの?」

美咲「どうって……。あっ、後でちゃんと話すから。」


私は赤くなり俯いてしまう。
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