天体観測の夜は月に願いを…
戸塚は何か言いたそうに見ていたが、今は話せない。
昼休み奏愛と二人で屋上へ行き、お弁当を食べた後、昨日の事を
奏絵に話した。
奏絵はすごく喜んでくれた。
奏絵「とうとう美咲も彼氏持ちか…。
悔しがる男どもが何人いるやら。」
美咲「そんな、誰も悔しがらないって。」
奏絵「少なくとも二人…。あっ聞かなかったことにして。」
美咲「う、うん(二人?)。
それで、お願いがあるの。まだみんなには内緒にして
欲しいの。」
奏絵「えーっ! なんで」
美咲「だって、恥ずかしい。」
顔も耳も真っ赤で俯く私に、笑いながら。
奏絵「しょうがないか。恋愛初心者だもんね。乙女だね。
でも、なるべく早く話すんだよ。祈織先輩に悪いよ。」
私は小さく頷いた。
早く話せるようになりたい。