天体観測の夜は月に願いを… 

病院に着くと、警備員さん、看護師さんなどと挨拶を交わしながら

病室に向かう。

病院とは、あの事故依頼、長い付き合いになるので顔見知りも多い。

祖母の部屋は個室、たくさんの管や器械に繋がれているの

を見るのは堪らない。


美咲「お祖母ちゃん、来たよ」


返事はない。

ベット脇の棚を拭き、花を飾ってから椅子に座り、話しかける。


美咲「あのね、私、彼氏ができたの。
   堂島祈織さんていうの。すごく優しくて素敵な人だよ。
   いつかお祖母ちゃんにも紹介できたら良いのに。」


祖母の手を取り頬ずりする。

温かいね…。

私は・・・・・大丈夫。


昼に一度売店に行きオニギリとサラダ、お茶を買って食べる。

しばらく部屋で読書しながら三時過ぎまで過ごした。


美咲「また来るね。」


祖母にさよならすると来た時と同じ道を帰る。
(春風、気持ち良いなぁ)

< 35 / 91 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop