天体観測の夜は月に願いを…
病院に着くと、警備員さん、看護師さんなどと挨拶を交わしながら
病室に向かう。
病院とは、あの事故依頼、長い付き合いになるので顔見知りも多い。
祖母の部屋は個室、たくさんの管や器械に繋がれているの
を見るのは堪らない。
美咲「お祖母ちゃん、来たよ」
返事はない。
ベット脇の棚を拭き、花を飾ってから椅子に座り、話しかける。
美咲「あのね、私、彼氏ができたの。
堂島祈織さんていうの。すごく優しくて素敵な人だよ。
いつかお祖母ちゃんにも紹介できたら良いのに。」
祖母の手を取り頬ずりする。
温かいね…。
私は・・・・・大丈夫。
昼に一度売店に行きオニギリとサラダ、お茶を買って食べる。
しばらく部屋で読書しながら三時過ぎまで過ごした。
美咲「また来るね。」
祖母にさよならすると来た時と同じ道を帰る。
(春風、気持ち良いなぁ)