天体観測の夜は月に願いを… 

祈織「ん!着たかな。」


 先輩は通信が終わると一度スマホを確認し奏絵に「ありがとう」と

声をかけてから、私の方に向き直る。


祈織「相原さん、後でメールする。
   相原さんもいつでもメールして欲しい。
   それじゃあ」


 祈織先輩は来た時と同じ笑顔を残し、先輩たちの輪に戻って行った。

固まったままの私を残して。


奏絵「大丈夫、美咲?まさか向こうから来るとはね。
   びっくりだよ。
   まあ、結果オーライだね。それにメール欲しいって言ったよ
   美咲、期待して良いんじゃない?」

美咲「まさか!」


 やっと固まり解けた。

 メアド交換目的は、告白ではなく地学部OB連絡網のためだった。

他の先輩たちからは既にゲットしていたが、どうしても祈織先輩から

聞けなかったのだ。

 せっかく祈織先輩と話すチャンスだったのに緊張しちゃって、

私ったら話せなかった。

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