天体観測の夜は月に願いを…
一人では無く彼が来たことで安心していた気持ちがピンと
不安の方に跳ねる。
体育館へ通じる長い渡り廊下を、彼の後ろに付き歩いて行った。
渡り廊下が過ぎた辺りで、彼はゆっくりと振り返った。
懐中電灯の灯りが有るものの、その表情は暗くて見えない。
美咲「聡くん…?」
聡「美咲先輩。僕は、先輩が好きです。」
普段から彼のスキンシップの多さや言動、いくら鈍感な私でも
気づく。
聡「先輩の気持ちおしえて下さい。僕は本気です。」
美咲「・・・・・」
私の好きなのは祈織…。
真剣な彼に何と答えたら彼を傷つけないのだろう。
断る以上は傷つけるに決まっているだったら。