天体観測の夜は月に願いを…
彼の顔が私の顔へ近づいて来る。キスされる。
美咲「やぁ、いやぁ!やめて!」
助けて、助けて、祈織、祈織。
「美咲から離れろ!」
聞き覚えのある声が響く。
聡くんの手の力が一瞬緩んだ隙に、私はその声の主の元に駆け出していた。
美咲「……い、お、り」
祈織「美咲。」
祈織はしっかりと私を抱きとめ心配そうに美咲の顔を確認した。
祈織「三上、きさま、何をした!!」
聞いた事もない祈織怒声に聡くんの体がビクッとするのが見えた。
彼は拳を握り締め、祈織を睨んで小刻みに震えている。
聡「・・・堂島先輩。なぜ・・。」
少しの沈黙から、考えに思い至ったのか。