天体観測の夜は月に願いを… 

聡「そうか。美咲先輩の好きな人、付き合っているのは
  堂島先輩だったのか。」

祈織「そうだ。」


祈織はハッキリと答えると私を抱いた腕に力がこもる。


聡「そうか………。」


祈織は低く怒りを抑えて声で


祈織「三上、お前のしたことは、未遂だけどレイプだぞ。
   分かっているのか。
   そんなことがしたかった訳じゃないはずだ。
   美咲の気持ちを無視して、それで好きだと言えるのか?
   二度と美咲に触れることは許さないからな。」

聡「・・・・・」


聡は下を向いて黙って聞いていたが絞り出すように震える声で


聡「……でも、すきなんです。……美咲先輩ごめんなさい。」


それだけ言うと、悲しそうな視線を一度だけ美咲に向けると走り去った。

体から力が抜け、ガクッと膝をつきそうになるのを祈織が

抱き上げようとしたが、そのまま座り込んだ。

彼の腕の中にいる安心から嗚咽とともに涙が溢れる。
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