天体観測の夜は月に願いを…
彼の貸してくれたハンカチで顔を拭いていると、こちらに
駆けてくる足音。
もしかして聡くんがまた…走ってきたのは戸塚だった。
戸塚「美咲!遅いから心配して……。堂島さん?」
祈織「あぁ…」
戸塚は祈織と一緒だったことにビックリした様子だった。
体育館の計測に行ったまま戻らない私を心配して見に来た
のだという。
戸塚「堂島さん、今来たんですか?」
祈織「そう今来たばかり。これからコンビニで飲み物買って
くるから。美咲借りるよ。」
戸塚「美咲ですか?重いし、俺、行きましょうか。」
祈織「いや、戸塚は部長だから中仕切らないと…。」
祈織は次の体育館の観測を戸塚に頼むと、私を連れて校舎から出た。
校門を出ると、どちらからともなく手を繋いで歩いた。
約五分の所にあるコンビニに入ると、紙コップを探しかごに入れる。
飲み物コーナーへ行くと祈織が飲み物を選んでいる。