天体観測の夜は月に願いを… 

チクッと痛みが走る。

今度は唇に噛み付くように下唇を吸ってから舌を絡ませる。

甘い感触、ゆっくりと祈織が離れていく、もっと欲しい。


祈織「美咲に、こんな事していいのは僕だけ。消毒だよ。」


消毒?さっき聡くんに首にキスされたから?

私の上書きしたい気持ち分かってくれてたのかな。


祈織「さあ、みんな待ってるかな。行こう。」


教室を出ると手を繋いで3階に向かった。

聡くん、居るかな?少し緊張しながらも思い切ってガラッと開ける。


美咲「ただいま!祈織先輩から差し入れで~す。」


教室中が一斉にこっちを向く。

上から下へ確認するように見られる。

ハッ、手を繋いだままだった。

そっと手を離し、集まってくる部員たちに紙コップを渡す。

机に飲み物を並べるとその場から離れ祈織を探す。

いない、斎藤先生に挨拶かな?

キョロキョロしていると奏絵が笑いながら近づいてきた。

< 62 / 91 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop