天体観測の夜は月に願いを…
時計を確認すると次の観測までまだ時間がある。
美咲「祈織、ご飯食べてきた?」
祈織「いや、食べてないけど。」
美咲「やっぱり、食べてないかもと思って、お弁当作ってきたの。」
祈織「食べたい。」
さっき買ってきた、お茶を紙コップに注ぎ、お弁当を広げる。
祈織は「お腹すいた。」早速食べ始め「美咲の料理はおいしい」と
褒めながら、ぱくついている。
ふっと顔を上げると教室の後ろの方に座り、一、二年の女子に
囲まれた聡くんと目が合う。
聡くんは直ぐに目をそらし俯いてしまった。
はーっと思わずため息が出た。
彼のした事は、もちろん許せない。でも、そのことで部内の
雰囲気が悪くなるのはいやだ。
後で奏絵に相談しようかな…。
祈織「美咲?」
心配そうに覗こ込む祈織に、なんでも無いと首を振り
食べ終えたお弁当を片付けた。