天体観測の夜は月に願いを…
久しぶりにお前と話す事が出来て、心が踊った。
本当に綺麗になった。
今度は間違えない。お前から離れない。離さない。
でも、お前は『戸塚』と呼び、まだ俺から距離を置いている。
何時になったら昔みたいに『誠』って呼んでくれる?
少しずつお前との距離が縮まっていると思っていた。
ゆっくりでも良いんだ。
今度はお前も俺の手を取って一緒に歩いてくれるなら。
それなのに・・・・。
新歓の打ち上げの日、堂島さんと一緒に帰ったお前。
何かあったのか前田に聞いても本人に聞けと話してくれない。
もしかしてと、悪い予感がする。
観測会の日、体育館から帰ってこないお前の事が心配で迎えに
行くと堂島さんが一緒にいた。
頬に涙の跡、何かされたのか?その手を掴んで問いただしたい衝動を抑えて、
コンビニへ行く二人を見送った。