天体観測の夜は月に願いを…
祈織はカッコイイから、どこに居ても目を引く。本人は全く気にして
いない様だけど。
病室のドアを開けると、祖母が寝ている。
美咲「お祖母ちゃん、来たよ。」
祈織「こんにちは、お邪魔します。」
祈織は部屋を見渡すと、花瓶を手にして部屋を出た。いつの間にか
お見舞い用に花を準備してくれていた。祖母への気遣いが嬉しい。
彼が花をいけてくれている間に、私は祖母の髪を梳かし、ベッドを
整えて、汚れ物を交換するなどしていた。
戻った祈織が花を飾ると部屋の雰囲気が明るくなる。お祖母ちゃん
花好きだったからきっと喜んでる。
祈織は私に手招きすると、椅子に座らせた。
そして片方の手で私の手を握り、もう片方で祖母の手を握った。
祈織の手が冷たい、緊張している?
私を見て微笑んでから大きく息をすると。
祈織「お祖母さん、こんにちは。僕は堂島祈織と言います。
美咲さんと真剣にお付き合いさせていただいてます。
美咲さんの事は僕が守ります。」