天体観測の夜は月に願いを…
祈織は私の瞳を見ると。
祈織「いいよね。ずっと美咲と一緒にいたい。」
瞳をはなさずに頷く。
祈織「どうしても一度お祖母さんに、理って置きたくてね。
けじめと言うか……。 美咲?何で泣いてる?」
美咲「えっ」
気づかないうちに私の頬を涙が伝っていた。
祈織の思いがけない気遣いが嬉しい、真剣に二人のことを考えて
いてくれたことも。
美咲「うれしくて… 」
祈織はその長い指で涙を拭いてから頭をポンポンとした。
だめだよ、キュンキュンしちゃう。
祈織が今日、病院に付いて来てくれたことも、この事を話す為だったんだ。
祈織「これで保護者公認かな?」
美咲「そうだね。」
この人は私のことをよく知っている。
彼を祖母に紹介したいと思っていたことも、なぜ判るのだろう。
先程まで冷たかった彼の指先は温かくなっていた。
繋がれた私の手も、心も……