天体観測の夜は月に願いを…
あまり事を大きくしたくないけど、聡くんの出方次第では考えなければ
いけないのだろう。
放課後、部員が帰ったあと戸塚を交えた3人で話をした。
戸塚は私が話し終わるまで黙って聞いていた。
戸塚「わかった。もし美咲が不安なら暫く帰りは俺が家まで送って
行くから。美咲どうする。」
美咲「でも…。戸塚迷惑じゃない?」
戸塚「大丈夫。堂島さんだって毎日迎えに来るのは無理だろう。
それともヤキモチ焼くか?」
美咲「・・・それは。」
奏絵「私は賛成。送るくらいでヤキモチなんて、心狭くないよね
祈織先輩は。」
戸塚「じゃあ決まりだな。」
その日から戸塚が毎日送ってくれた。帰り道は昔みたいに冗談を
言い合いながら。
聡くんは部活にはきちんと出席していて観測会の片付けやデータ
整理作業を忙しくこなしていた。