天体観測の夜は月に願いを…
過去からの声
ボイスレコーダー
*** 祈織 ***
気が乗らないながらも実家へ帰った。
父の話は会社のパーティーに出席しろということだ。
幼い頃はよく遊びがてら出でいたが、今は鬱陶しい催し物の一つだ。
もしかしてとと思い、父に探りを入れてみた。
祈織「そのパーティーって、僕のお見合いを兼ねてるんですか?」
堂島「祈織は察しがいいなぁ。これからのお前の後ろ盾になってもらえる
様なところのお嬢さんを何人か招待しようと考えているんだが
もちろん祈織の好みが有ればそれも考慮するよ。」
祈織「はぁ~、僕は出ませんよ。」
堂島「えっ、なぜ?」
祈織「なぜって、僕には好きな女性がいるからです。その人以外とは
今もこれからも考えられない。」
堂島「祈織がそういう事を言うなんて珍しいな。お前は、もっと割り切って
付き合えるタイプかと思っていた。でも悪くない。そのお嬢さんはどんな
娘だ?」
義母・明乃「あら、私も興味あるわ~。」
それまで黙っていた義母の明乃が口を挟んで来た。