それでも僕は君を離さない
奈々は冷蔵庫からチョコレートを出してきた。

固く冷やして食べるのが好きだと知ってから

俺はいつもストックしていた。

「忍さん知ってた?チョコとマシュマロがのってるピザがあるの。」

ケラケラと一人で笑い

板チョコを一枚たいらげた。

それを見て俺はため息をついた。

悪酔いすると笑い上戸になるとは知らなかった。

「そんなに飲んで何が気に入らないんだ?」

「別に何も。それよりカクテルがこんなに美味しかったって知ってた?」

「知ってても教えなかった。」

「意地悪ね。でもどうして?」

「公の場で醜態をさらされたら困るからだ。」

「公の場ですって?」

彼女は大笑いした。

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