それでも僕は君を離さない
奈々は小さい腹をかかえてひとしきり笑った。

そのうち転げ回るかもしれないと俺は思った。

今日こそはたっぷり時間をかけて

彼女を甘美なものに仕上げたかったが

この状態だと悲惨な最後になりそうだ。

「奈々。」

彼女の肩を軽くつかんだ。

「忍さん。」

と俺の名前を言っただけで笑い転げた。

まともに会話も成立しないどころか

酒乱もいいとこだ。

仕方がない。

今日は介抱するしかない。

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