それでも僕は君を離さない
「順番がきた。入ろう。」

「はい。」

ガーリックの香ばしい匂いとシーフードの匂いに私は空腹を感じてきた。

プレートを持って列に並び

各自食べたいものを食べたい量だけ盛って席に落ち着いた。

「歩いたから喉が渇いてない?」

「坂下さんも?」

「透吾でいいよ。」

「わかりました。」

私たちは軽くグラスを合わせて乾杯した。

「食べよう。いただきます。」

「いただきます。」

私は食べながら彼の様子をチラチラ見た。

なんてきれいな手で箸を持つのかしら。

箸運びが優美すぎると私は思った。

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