それでも僕は君を離さない
私は乗る船を待つ間、海風に吹かれながら思った。

こんな風にデートしたことがなかった。

誰かと外出したことさえなかった。

この急な展開に

この場に自分がいることに改めて驚いた。

船が近づいてきた。

私たちは乗船した。

30人くらい乗ったようだ。

彼は私を窓側の席に座らせて

自分は通路側に座った。

波は穏やかで船の揺れも小さかった。

エンジンの音も思ったほど大きくなく

海面を滑るように進んだ。

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