それでも僕は君を離さない
船を降りて目の前の広い公園内をのんびり歩いた。

芝生が続いてあちらこちらにベンチがあった。

私たちはその一つに座った。

「休日の午後が一番いいね。今日は君と過ごせるし。」

私は彼の言葉に今素直に喜べた。

「僕はずっと君のことを見ていたんだ。君は気づかなかったようだけど。」

「そうですか。」

「面接に来た時から覚えてるよ。」

「恥ずかしいです。」

「君に話しておきたいことがあるんだ。」

彼の口調が少し固くなった。

「何でしょうか?」

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