それでも僕は君を離さない
彼はコンビニで2Lのお茶を買ってきた。

「行こう。」

「行くってどこへですか?」

「決まってる。やるよ。朝まで。」

私は彼が言った「朝まで」にショックを受けた。

ラブホの部屋に入り

二人でソファーに座った。

「あとで一緒にシャワーを浴びよう。その前に話がしたい。」

「お腹がいっぱいで眠くなりませんか?」

「今日は寝かせない。」

私は今の言葉でさっきのショックが倍増した。

「それで?何を悩んでる?」

私は単刀直入に言うつもりだった。

「今週新入社員が資材室に来ました。」

「その中に知り合いがいるのか?」

私は透吾さんの洞察力に惚れ惚れした。

「はい。」

「誰?」

「以前付き合っていた人です。」

「大学で?」

「はい。」

「そうか。」

透吾さんが何を考えているのか私にはわからなかった。

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