それでも僕は君を離さない
ラボのオフィスは狭かった。

デスクが3つにPCが3台

大きめのプリンターの他には

USB用のキャビネットがあるだけで

私がいる事務室のようにペーパーファイルが

ぎっしり詰まったキャビネットはなかった。

印字ものは防犯上ラボには置かない決まりのようだった。

「じゃ、私はミーティングに出席するのでお願いね。」

「はい、行ってらっしゃいませ。」

久保主任は白衣のすそをなびかせてオフィスを出て行った。

私はデスクトップの共有フォルダーにカーソルを向けた。

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