それでも僕は君を離さない
「何か言ってくれる?」

「しばらく考えさせてください。」

私はそれしか言えなかった。

「またメールしてもいいかな?」

「メールなら大丈夫です。」

「どうかした?気分でも悪い?」

「大丈夫です。何でもないです。」

まさかあなたの手を見てドキドキしているとは口が裂けても言えなかったし

えくぼの笑顔が魅力的すぎて頭がクラクラしているとも言えなかった。

彼の女を落とす最強の武器が他にないことを祈るばかりだった。

「返事はいつ頃もらえる?」

「わかりません。どう返事したらいいのかわからなくて。」

「返事はイエスかノーだよ。」

「そうですけど、逆にいつまでに返事をしたらいいですか?」

私は空っぽの頭で考えた。

「そうだな、今夜メールを待っているよ。」

私は思った。

今日は丸1日これでつぶれたと。

そして心の中で涙した。

私の気持ちには関係なくどんどん時間が過ぎていった。

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