それでも僕は君を離さない
翌日の午後も私はラボのオフィスでPCに向かっていた。

3日目も4日目も何事もなく

フォーマットは無事完成し

久保主任の承認待ちだった。

5日目に主任のオーケーをもらい

各リーダーに発注時の注意事項を伝えることになった。

「リーダーは5人いるけれど、1人は新人なので彼には資材のことを少し教えてあげてね。」

「承知しました。」

久保主任のハスキーボイスがインターフォンからラボへ流れた。

ベテランのリーダー4人が2人ずつオフィスに呼ばれた。

私は発注リストのフォーマットを改訂したことと

いくつかの資材が変更になったことを彼らに伝えた。

残るは新人リーダーだ。

久保主任の声がラボに響いた。

「笹尾くん、オフィスに来て。」

私は身構える必要はない

これは仕事なのだからと自分に言い聞かせた。

「樋口さん、彼に新人研修医のリーダーを任せているので、彼から質問があったらよろしくね。」

「承知しました。」

「私は遅いランチに行ってくるわ。頼むわね。」

「はい、行ってらっしゃいませ。」

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