それでも僕は君を離さない
「ランチできる?」

「いいえ、時間ないです。」

こんな時に空腹を感じるわけがない。

「そうか、残念だな。じゃ、夜メールして、必ず。」

「はい。」私はうわの空で答えた。

「今日はありがとう。会って話せて良かった。」

私はどんな表情を返していいのかもわからず

カップに残ったコーヒーを見ていた。

「僕を見て。」

私は彼の目を見た。

次の瞬間やられた。

彼の悩殺スマイルだ。

くっきりなえくぼに甘いマスクの彼は私をターゲットに選んだ。

たぶん遊びだ。

< 9 / 126 >

この作品をシェア

pagetop