それでも僕は君を離さない
夜中に目が覚めた。

ベッドの中で温かかった。

すぐそばに先輩の顔があった。

彼の目は閉じていた。

私は彼に寄り添って寝ていたことになる。

指で彼の高い鼻筋をそっとなぞった。

「奈々。」

私を呼ぶ彼の唇もそっとなぞった。

「くすぐったい。」

私はそのままあごから喉仏に軽く触れて

首から鎖骨へ指を滑らせた。

「何をどうしたい?それともどうされたい?」

「このままでいたい。」

「わかった。」

私はぐっすり眠った。

翌朝携帯のアラームが鳴るまで。

ハッと起きた。

出勤しなくちゃ。

隣りでうつ伏せて寝ている先輩を呼んだ。

「起きて。」

返事がないので彼の肩を軽く揺すった。

「忍さん、朝。」

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