それでも僕は君を離さない
「俺には小さすぎる。このベッドじゃ足を伸ばせない。」

「おはようございます。」

「おはよう。」

お互いにまだ眠たげな目で見つめ合った。

「一度帰って着替えてから行くよ。」

「そんな時間ないです。」

「大丈夫。アラームを1時間早くセットした。」

「本当?」

「まだ5時だ。」

「良かった。間に合いますね。」

私は起きて立ち上がった。

ベッドに腰かけた彼はそっと私を抱き寄せた。

「奈々。」

「泣いた理由を話してなかったです。」

「わかってる。ただなつかしかっただけだろ?」

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