それでも僕は君を離さない
奈々は今日もランチに誘われたようだ。

グループ・ミーティングの二人に気に入られたか。

俺は先日その二人と飲みに行った。

約束は守る方だ。

そして今日のランチも他部門の女子社員に囲まれ

彼女たちのおしゃべりに適当に相づちを打ちながら

頭の中では今夜どうやって奈々を

弱らせようかと思い巡らせていた。

勿論ベッドでだ。

彼女の反応は俺の気持ちに反比例だ。

第一に、キスに鈍感である。

第二に、未だに恥ずかしがる。

第三に、男をわかってない。

第四に、女であることもわかってない。

第五に、俺は自分のベッドテクニックに自信を失いつつある。

あれこれ考えるだけで沈んだ。

彼女に対してどうあるべきか悩んだ。

男として不完全燃焼気味だ。

今まで付き合った女はどうだったか。

と思ったが奈々との比較対象にはならない。

なぜならどの女も好きになれなかったからだ。

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