そっと優しく  抱きしめて
「野瀬さんに似てるわ。」

「おまえ、兄貴を知っているのか?」

「兄貴?」

「俺の兄貴はネットカンパニー夢限ドットコムのオーナー野瀬貴明だ。俺は弟の野瀬貴弘。」

「弟さんなの?」

「莉花、おまえ、兄貴の女なのか?」

「いいえ、違うわ。」

「なら、続けても構わないな?」まるで野瀬さんにキスされているような嬉しい錯覚だった。

本当に野瀬さんだったらどんなに素敵かしら?

こんなに優しくキスしてくれるかしら?

野瀬さんの腕に抱きしめられたい。

私の頭の中は野瀬さんのことでいっぱいだった。

弟なんて、お呼びじゃないんだから。

「おまえ、兄貴のこと、好きなのか?」

「・・・・・」

「別にいいよ、答えなくても。その顔を見ればわかる。」

「・・・・・」

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