そっと優しく  抱きしめて
「莉花?いねぇのかよ!」俺は廊下を奥へ入った。

「貴明さん?今日は来ないって。」莉花の声がした。

カチャッとランドリー室のドアが開いた。

「なっ!莉花!おまえ、何て格好してんだ!」

「貴弘さん!どうして?やだっ!見ちゃイヤよ!」

「イヤも応もねぇよ。これ、俺んとこに間違って届いたぜ。」

俺は箱の中身を広げて見せた。

「また?こんなのばかりなの。」

彼女とは一度キスした関係だった。

兄貴にはまだ知られていないはずだ。

莉花もしゃべっていないようだった。

「おまえ、そんな格好でウロウロするなよ。」

「だって、貴明さんが友達のショップの商品を試してくれって言うから、仕方なく。」

「兄貴のやつ、あの堅物ITオタクがむっつりスケベだったとは。」

「違うわ。貴明さんもランジェリーだと知らされてなかったって言ってたわ。」

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