そっと優しく  抱きしめて
莉花は僕に激しさを求めた。

いつものゆっくりとした優しいキスでは物足りないのだろうか。

「君が貴弘に求めるものがあるなら話して欲しい。君を理解したいんだ。」

「彼に求めるものは何もないわ。」私は貴明さんの目をちゃんと見て言った。

「そうか、それなら僕は今まで以上に君を愛していいんだね?」私は彼の首に抱きついた。

「ありがとう、貴明さん。私も愛しているの。私を離さないでくれる?」

「離さない。」二人で目を合わせた。

「莉花、激しくされたかったら言ってくれれば応えるよ。」

「うん、ちゃんと言うわ、ありがとう。」

「きれいだ。君はいつも僕を乱す。僕は君の意のままに動く。信じてないのか?」

「信じてるわ。」

「そうかな?君にとって僕は君の中で何%を占めているんだろうと時々不安になるよ。」

「私の中はいつもあなたでいっぱいなの。100%を求めてそれ以上が返ってくるわ。とっても幸せなの。」

「僕を求め過ぎることはない。好きなだけ求めてくれていいよ。僕がそうされたいから、そう言うんだ。忘れないで、いい?」

「うん、嬉しい。愛する人に愛されているって、こういうことなのね?」

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