Secret Rose
裕吾は今年23歳。1年ダブって、今大学4回生。
家が近所なこともあって、別れてからも仲良くして たまに食事に行ったり、私が落ち込んでいるときは、ドライブに連れて行ってくれたりした。
元々優しい兄ちゃんって感じだったので、『付き合ったんは間違いやったな』といって、2人で笑いながら円満に別れた。ちなみに祐吾とは、キスまでしかしていない。
今は祐吾にも恋人は いないらしい。

家について、まずシャワー浴びた。
別に、何か期待してるわけではなく、外出するときは必ずシャワーを浴びてさっぱりしてからでないと、外に出る気がしない。
私ってA型だから・・・というより、汚れた顔に化粧はしたくないし、汚れた体のまま服を着たくなかっただけだった。

それから 着替えて 化粧をし、裕吾に電話した。
車で家まで迎えに来てくれて、近くの焼肉屋に向かった。

先に焼肉に行くといってくれていたら、臭いが付いても平気な服を着て来ればよかった。

「焼肉食いたかってんけど ひとりで来るのって寂しいやんか?」

「せやなー。でも裕吾ならひとりでも来そうやん。」

「俺、なんか痛い子やん。」

祐吾は笑っているが、顔が引きつっている。

「最近はお洒落な一人焼肉の店とかあるやん。ってか祐吾 元々痛いやん。」

「聞こえへーん。ってかなんか今日、人いっぱいやな。」

「平日やのになぁ。」

「せやなぁ。」


オーダーを聞きに来てくれた店員さんに『今日は何か騒がしいね』と言ってみたら、『時期は少しずれてますけど、まだ歓迎会とかもたまにあるですよー』と教えてくれた。
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