Secret Rose
その後は別に、『最近どう?』みたいな普通の世間話しとかして、2人で楽しく焼肉食べた。
裕吾が『今日は俺が出すわ』といってくれたけど、デザートは頼まず ゆっくりした。
まだこの後行く所があるから、少しだけお腹を開けておく。

しばらくして『そろそろ行くか?』と裕吾が問うから、もう少しゆっくりしたかったけど、裕吾について レジへ向かった。
そしたら、騒がしかった団体の酔っ払いが、先に会計を済ませて帰るところだった。その団体のことはあまり意識しないで、裕吾の後ろに立たちボケっとしていたら、どこからともなく 名前を呼ばれた気がした。

「茜?」

どこから呼ばれたかわからなくて キョロキョロしていたら後ろから肩を叩かれた。

「茜ちゃ~ん!何してんねん!」

「あぁ!先生!『何してんねん』って焼肉食べててんやん。」

「そうかそうか!」

上機嫌に声をかけてきたのは担任だった。
本当に偶然で、思ってもいなかったので嬉しかったがだいぶ酔っ払っている様子だった。
ちょうど裕吾がお金を払い終わって 不思議そうに見てきたので紹介した。

「あ、裕吾、こちら担任の先生。先生、幼馴染の裕吾。」

「こんばんわー。」

「あ、どうも。」

祐吾は酔っ払いを少し警戒しているようだ。
少し気まずい。

「裕吾、ほな行こか!」

早くこの雰囲気から抜け出したかったので、『早く行こう!』と祐吾を引っ張った。

「お、おう・・・。」

「ほな先生、また明日~。」

「遅刻しなやー。」

「せぇへんわ!」

担任も他の教師に腕を引かれ、千鳥足で暗闇に消えた。いったいどれだけ呑んだんだろう・・・?
担任は、また今から飲みにいく様子。いったいどれだけ酔うつもりだ・・・。

裕吾と私は お店を出てから、夜も開いてるカフェにコーヒーを飲みに行った。
ここのマスターとは、家も近所で昔から良くしてもらっている。

私はコーヒーが飲めないので、いつもミルクティーを頼む。
そうすると、いつもマスターに「相変わらずやなー。」といって笑われる。

私は最近何かにつけて、笑われている気がする・・・。
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