Secret Rose
数日後、茜は腹痛で目覚めた。

(げ・・・お腹痛いし・・・生理?違うよな・・・)

コンコン

病室のドアをノックして、看護士が入ってきた。

「おはようごさいます。村前さん、包帯取り替えましょうね」

「はーい」

もうギプスも取れ、もうすぐ退院できそうだ。

「看護士さん、お腹痛い・・・」

「どのあたりが痛みますか?」

「ここらへん・・・」

茜は“みぞおち”を指した。

「じゃあ、朝ごはんは食べられるだけでいいですから、無理しないでください」

「はーい」

「後で内科の先生にも診てもらいましょう」

看護士が手早く包帯を取り替えて、次の患者を診るために準備しながら言った。

「はーい」

「痛みがひどくなるようでしたら、ナースコール鳴らしてくださいね」

「でも、“めっちゃ痛い”てわけやないんで、たぶんご飯食べたら治るかな?」

「そうだといいけど、念のため診てもらっておきましょう」

「はい」

「椿さーん・・・・」

看護士は次の患者さんに移った。


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