Secret Rose
検査も終えた次の日、いよいよ手術の時間。
不安で胸がいっぱいで、気分が悪くなっていた。
執刀医の先生は、『お腹を少しだけ切って虫垂を取るだけなので、1時間ほどで手術は終わるので安心してください』とはいうが、手術とはいえ、腹を切り開かれ、そのうえ内臓を切り取られるのに、平気な顔は出来ない。
看護士さんは『腕利きの先生なので、安心してください』とはいうが、執刀医と会ったのは当然病院が初めてだったし、その医者がどれだけ手術が上手いかは、医学を学んでいるわけではないので茜にはわからない。
しかし、ここまできてしまったら、手術を受けないわけにはいかない。茜の唯一無二の抵抗は、『しらねーよ!』と、心中で叫ぶことしかなかった。

手術室に入ると麻酔をかけられ、『数字を数えてください』といわれた。
「1・2・3・4・・・」気づいたらもう病室のベッドだった。

(なんや、手術って・・・全然怖くないやん)

もう外は暗い。

「起きた?」

また担任がお見舞いに来てくれていた。
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